医薬品開発のブレインパートナー
メッセージ
医薬品等の開発や、臨床試験実施に関する研修、その他個別項目に関する研修・トレーニングの計画・実施・評価を行っております。
  • 医薬品開発・GCPの研修
    医薬品開発のステップ、GCP入門と改正GCP、治験デザイン入門、総括報告書の作り方、CTDの構成、オーバークオリティ、ドラッグ・ラグ、Global開発 など
  • 疾患領域の研修
    抗がん剤開発入門、免疫入門、高血圧と糖尿病、遺伝子入門、バイオテクノロジーとは など
  • 医学統計の研修
    入門コース、応用コース など
  • 通信講座による研修
    GCP入門、医学統計基礎コース、医学統計応用コースなど
  • Medical翻訳の研修
    メディカル翻訳演習、総括報告書の構成、英文和訳のポイントなど
    (ムービーを視聴する)
  • その他、医療機関、SMO、CRO、などでの出張研修
津村からのメッセージ
医薬品企業の臨床開発担当者(CRAあるいはモニター)さんの研修をやっていてつくづく思うことがあります。それは、当の受講者さん達だけでなく、研修担当者の方々、あるいはそれらを管理するマネジャーの人達も即物的なハウツー研修を望むことです。

例えば、臨床試験のガイドラインであるGCPの研修を行っても、「IRBの開催に必要な必須文書は?」とか、「実施施設へのモニタリングの訪問頻度はどのくらい?」とか、「治験医師から得た◎●という情報はモニタリング報告書に記録する?」とか・・・、とにかくハウツー的な関心事の研修を望むのです。
一方で、「今回のGCPの改正(2009年4月施行)で、第1章 総則の(趣旨)が改訂されまして『第1条 この省令は、被験者の人権の保護、安全の保持及び福祉の向上を図り、治験の科学的な質及び成績の信頼性を確保するため、・・・』という一文が加わりました」と言っても殆どの研修生は無関心で、それがどうしたの?と言う感じです。
それは世の中も同じで、雑誌や新聞での改正GCPのポイントとして報道されたのは;
  • 実施医療機関の長の判断で、実施医療機関の内外を問わずに治験審査委員会を選択できるようにした。(第27条)
  • 治験審査委員会の設置者に、医療機関を有する国立大学法人、地方独立行政法人、学校法人、医療の提供等を主務とする独立行政法人を追加した。(第27条)
  • 全ての治験審査委員会について、治験審査委員会の手順書、委員名簿、会議記録概要を各地検審査委員会として公開することになる。(第28条)
  • 規制当局への副作用報告は、すでに薬事法施行規則第273条できちんと規定されているが、これに加え、実施医療機関への伝達ということであるが、国内外の未知重篤な副作用は従来どおり全症例につきその都度報告のままであるが、国内外既知で死亡又は死亡につながるおそれある副作用等の奨励については6ヶ月ごとの定期報告となる。(第20条)
と言うことばかりで、第1章の(趣旨)が改訂されたことを報じた記事にはついにお目にかかりませんでした。これに関しては当局も同じで、第1章の(趣旨)が改訂された旨は殆ど公表されていません。なんと虚しいことでしょう!!!

つまりは当局も含めて、日本のGCPはハウツー教科書とみなされているのです。改訂前のGCPの(趣旨)には次の様な説明が付されていました。ちなみに、改訂前の(趣旨)の本文は無機的な読むに堪えないものです。
1. この基準は、医薬品の製造(輸入)承認申請の際に提出すべき資料のうち臨床試験の試験成績に関する資料の収集を目的とする試験の実施(以下、「治験」という。)及び市販後臨床試験に関する計画、実施、モニタリング、監査、記録、解析及び報告等に関する遵守事項を定め、被験者の人権、安全及び福祉の保護のもとに、治験の科学的な質と成績の信頼性を確保することを目的とするものである。
解りますでしょうか、日本のGCPは「・・・計画、実施、モニタリング、監査、記録、解析及び報告等に関する遵守事項を定め・・・」、「治験の科学的な質と成績の信頼性を確保することを目的」としたハウツーものだったのです。

一方で、1996年6月に公表されたICH-GCPを見ますと;
2.3 The rights, safety, and well-being of the trial subjects are the most important considerations and should prevail over interests of science and society.
と言う記述が既にあり、「被験者の人権、安全性、および福祉が最も重要な事項であり・・・」となっているのです。情けないことに日本はICH-GCPにあるこの条項を2009年になってやっと取り入れたのです。
つまりは、「被験者の人権、安全性、および福祉」に影響が出た、あるいは影響が出る恐れを察知した場合は、被験者の保護を最優先にしろ!ということで、その様な時には「(治験などの)計画、実施、モニタリング、監査、記録、解析及び報告等に関する遵守事項」とか「治験の科学的な質と成績の信頼性を確保」なんかブッ飛ばせ!と言うのがGCPの<<<趣旨>>>なのです。
この重要なことを教えずにハウツーばかりに偏重している今のモニター研修は果たして適切なトレーニングなのでしょうか?こんな風に言うから「津村は過激だ」と言われてしまうのですが・・・。